人間が単細胞生物から進化して今の形にいたる以上、やはりその進化や文化の過程で、ある一定の時期からハゲを気にするようになった境目があるはずです。
ハゲてないのに「あのハゲー!!」などとのたまうくらいの罵詈雑言カテゴリに入ったこの現象、きっといつぞやに起源があるはずなのです。
今回はその歴史的背景をメンターにインタビューしてみました。
日本人はいつからハゲを気にするようになりましたか?
日本人が髪の毛の薄さや禿(ハゲ)を気にするようになった時期を正確に特定するのは難しいですが、いくつかの歴史的背景を考慮すると、以下のような要因が挙げられます。
江戸時代以前
髪型や外見に関する価値観は、戦国時代やそれ以前の時代から重要視されていました。たとえば、侍の「ちょんまげ」は武士階級の象徴であり、髪型が社会的地位や身分を示す役割を果たしていました。しかし、当時は髪の薄さを特に問題視する文化はそれほど強調されていませんでした。
明治時代以降の西洋化
明治維新以降、日本は西洋の文化や価値観を積極的に取り入れ始めました。西洋ではすでに外見や髪の毛の手入れに対する関心が高まっており、日本人もそれに影響されました。この時期から、特に都市部で、髪型やファッションが一層重要視されるようになり、薄毛を気にする人が増えた可能性があります。
高度経済成長期(1950年代~1970年代)
戦後の経済成長とともに、メディアや広告の普及が進み、美容や外見に対する関心が高まりました。この頃から、髪の毛の健康や薄毛対策に関する商品が増え、薄毛を「克服すべき問題」として意識する風潮が強まってきました。
現代社会
現在では、薄毛に対する関心はさらに高まっており、医療技術の進歩により植毛や治療が広く行われています。特に、ストレスや食生活の変化が髪の健康に影響を与えることが認識され、薄毛対策が身近な話題となっています。
AGAの発症の平均年齢から考慮すると、昔(1900年代以前)の人たちはハゲる以前に亡くなっていたと考えるのは自然ですか?
AGA(男性型脱毛症)の発症年齢は一般的に20代後半から40代前半にかけてと言われています。歴史的に見て、昔の人々の平均寿命が現代よりも短かったため、薄毛や禿になる前に亡くなっていた可能性はありますが、状況はもう少し複雑です。
昔の平均寿命の捉え方
例えば、江戸時代の日本人の平均寿命は30〜40歳程度と言われますが、これは幼少期の高い死亡率が大きく影響していました。成人まで生き延びた場合は、50歳以上、場合によっては60〜70歳まで生きる人も少なくありませんでした。したがって、成人男性が40代を迎えてAGAを発症する可能性も十分にありました。
寿命と外見の関心
近代以前の社会では、生活が現代ほど安定しておらず、健康や生存がより重要な課題であったため、髪の毛の薄さに対する意識は低かったと考えられます。日常の厳しい生活環境や病気による早死が一般的で、薄毛を気にする余裕がなかったのかもしれません。
AGAと昔の人々
AGAは遺伝的要因が強く、現代の人々と同じように昔の人々もAGAに悩まされた可能性があります。ただ、現代ほど「美」に対する社会的なプレッシャーやメディアの影響が少なかったため、ハゲをそれほど問題視しなかったかもしれません。また、脱毛が進行する前に他の病気や原因で亡くなるケースもあったでしょう。
結論として、平均寿命が短かった時代の人々は、確かに薄毛になる前に亡くなるケースもあったでしょうが、成人後にAGAを発症した人も一定数いたと考えられます。ただし、現代ほどそれが社会的な問題とされていたわけではなかったでしょう。